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現代世界史とは?

執筆者の写真: 四々縦七四々縦七

現代史の対象は、「18世紀末からはじまった国民国家化の時代」である。これは岡田英弘氏の定義だ。


岡田氏によると、「1789年、アメリカ合衆国が成立し、その初代大統領ジョージ・ワシントンが就任した。同年にフランス革命が起こって、1799年にナポレオン・ボナパルトが第一統領になり、1804年、皇帝にのぼりつめた。これが世界史上、現代史のはじまりだ」ということになる。


国民国家って何?というのは次回説明するとして、現代世界史とは『18世紀末から現在に至る約250年間の世界の歴史である』と定義するのが第一の前提である。


疑問、異論、反論はあるかもしれないが、2000年とか3000年ではなく250年間の歴史を学ぶだけでいいんだな、と前向きに捉えて欲しい。


現代世界史の始まりは『18世紀末』『約250年前』とだけ覚えてもらえれば十分なのだが、岡田氏の説明に簡単な補足をしておこう。


1775年4月19日にアメリカのレキシントンで世界大戦のひとつアメリカ革命戦争が勃発した。この戦争は1783年9月3日にアメリカとイギリスの間でパリ条約が結ばれて、アメリカの独立が承認されて終わった。有名なアメリカ独立宣言は、戦争中の1776年7月4日にフィラデルフィアで採択されていた。戦後、1787年9月28日にアメリカ合衆国憲法が成立し1788年5月4日に施行され、1789年4月30日にジョージ・ワシントンが初代大統領に就任した(〜1797年3月4日)。


このアメリカ建国がヨーロッパに波及したのが、1789年7月14日に勃発したフランス革命(〜1795年8月22日)だった。有名なフランス人権宣言は、同年8月26日に憲法制定国民議会によって採択された。そして、1792年4月20日にフランス革命に干渉してきたオーストリア大公国(ハプスブルク家)に対してフランス革命政府が宣戦布告して世界大戦のひとつフランス革命戦争が勃発した。この戦争は1799年11月9日にナポレオン・ボナパルトが第一統領に就任するまででひとつの区切りを迎え、同日以降は別の世界大戦であるナポレオン戦争(1799年11月9日〜1815年6月9日ウィーン条約締結)と呼ばれて区別される。ちなみに、歴史なしで誕生した国民国家アメリカとは異なり普通の国だったフランスにはルイ16世という王様がいた。フランス革命の混乱のなか、彼は1793年1月21日にコンコルド広場でギロチンで斬首刑に処されてしまった。


以上が当時のアメリカとフランスについての簡単な補足である。現代世界史の始まりを、敢えて特定の日とするなら『1775年4月19日』というべきだろう。いずれにしても、現代世界史はアメリカとフランスで相次いで起こった革命戦争によって始まったということだ。


当時の日本は、江戸時代(1603年3月24日〜)である。日本が現代世界史に登場するのは1854年3月31日に日米和親条約を締結して以降のこととなる。


参照文献:岡田英弘「歴史とはなにか」文春新書155

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